あらすじ
その乙女、化物を喰らうさだめ――
これが応募総数1469作品の頂点。
第17回小学館ライトノベル大賞《大賞》受賞作!
獄門家――地獄より現れた血族。怪異ひしめく古都・京都を根城とする彼らは、呪術を操る胡乱な者どもはもとより、化物にすら畏怖されていた。
そんな凶家の末裔たる乙女――獄門撫子は、化物を喰らうさだめの娘。
荼毘の炎から取りあげられた、このうえなくうつくしく――このうえなく、忌まわしい娘。
しかし……
「撫子か。なるほど、その名の通り可憐だな。」
このうえなく奇妙で、胡乱で、美しい女――無花果アマナ。
自らを恐れもせずに笑う彼女との出逢いが、撫子を変えていく。
花天井に潜むもの。箱詰される人身御供。学園にあざなえる呪い。人を幻惑するけもの。かたちなき化物。
次々と怪異に挑むうち、二人はやがて目を背けていた己そのものと対峙する。
「あなたさえいなければ、わたしは鬼でいられたのに。」
鬼の身体にヒトの心を宿す少女と、ヒトの身に異形の魂を抱える女。
二人のつむぐ縁が、血の物語の封を切る。
TYPE-MOON武内崇氏も認めた、おそろしくもうつくしき、少女鬼譚。
【編集担当からのおすすめ情報】
第17回小学館ライトノベル大賞で「大賞」に輝いたのは、TYPE-MOON武内崇氏も認める、超王道の現代伝奇! 独特の「理」のある世界観に引き込まれる伝奇アクションはもとより、強くてややこしい美少女と胡散臭くていい女の主人公コンビが交わす、絶妙に「刺さる」やりとりに要!注目です。
評価
項目 | 評価 |
おすすめ度 | |
百合度 | |
恋愛要素 | |
ストーリー | |
日常 | |
ギャグ | |
シリアス |
※私的な評価ですので、ご参考までに
感想
伏見七尾によるライトノベルですが、タイトルからも分かる通り、厨二感強めです。そして、赤い瞳で武器が鎖、ダウンジングみたいなこともしてるし、クラピカ味のあるキャラです。カッコイイ。冨樫早く続き描け!
そして、オカルト百合ものです。
オカルト百合といえば、裏世界ピクニックなんかがアニメ化もされて有名ですね。ゲームだとクダンノフォークロアなんかもそうです。
百合とオカルトはシナジーがあると思っていて、例えばヘテロのオカルト作品では、極限状態に置かれた男女というシチュエーションのせいで、どうしても恋愛要素が強くなりがちです。しかし、同性の場合であれば恋愛感が強くなりすぎず、オカルト要素を邪魔しません。また、日常では相入れないような関係性の人間同士でも、オカルト要素を足すことで関係を持たせることができます。そして、その中で育まれた絆は時に男女の愛情をも凌駕します。
本作の主人公である獄門撫子と無花果アマナの関係性においても、最初はお互いに利益のために利用し合う関係性でした。しかし、様々な事件を通して、お互いに依存関係のようなものが出来上がってきます。共依存百合いいぞ。
と言う訳で、本作はオカルト要素と百合要素が程よいバランスで共存しているので、単純にライトノベルとしても面白い作品だと思います。直接的な百合描写は少ないので、百合上級者からすると百合要素は少なく感じるかもしれませんが、続編もあるので、巻が増すごとに百合要素も強くなってくるのではと予想しています。
個人的には、この作品が持っている雰囲気が好きです。現代が舞台にありながら、どこか懐かしく感じる情景描写。そして、懐かしいと言う感情には、どこか恐怖に似た感覚があります。子供の頃に木がお化けに見えたり、カカシが不気味に思たり、それは普段は忘れてしまっている感情ですが、この作品にはそういった感情を引き出す力があるように思います。
少しネタバレ的な感じにはなってしまいますが、本作で主人公はいくつかの事件に巻き込まれていくことになるのですが、最後には一つの事件に繋がっていくことになります。途中、同じパターンの繰り返しのような展開でマンネリしますが、ぜひ最後まで読み進めて欲しい作品です。
以上、ご拝読ありがとうございました。
購入方法
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